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初めての配信PC、どこから手を付ける?

初めての配信PC構築ガイド:どこから始めて、何を選ぶべきか

「そろそろ配信を始めたいけど、どんなPCを選べばいいの?」

多くの新規ストリーマーが最初にぶつかる壁がこれではないでしょうか。ゲーミングPCはたくさんあるけれど、「配信」という目的が加わると、どこを重視すればいいのか、予算内でどうバランスを取るべきか、途端に複雑に感じられますよね。

このガイドでは、初めての配信PCを「手堅く」「無理なく」構築するための考え方と、具体的なパーツ選びのヒントをお伝えします。いきなり最高性能を目指すのではなく、まずは安定した1080p/30fps〜60fps配信を目指せる、現実的なスタートラインを設定しましょう。

初めての配信PC、どこから手を付ける?

配信PCを組む上で重要なのは、ただゲームが快適に動くだけでなく、同時に配信エンコード処理もこなせる性能を持つことです。特に「ゲームをプレイしながら、その映像をリアルタイムでエンコードし、インターネットにアップロードする」というタスクは、PCにとってかなりの負荷がかかります。

しかし、ご安心ください。現在の技術では、一台のPCでゲームも配信も快適に行えるレベルのものが、以前よりずっと手の届きやすい価格で組めるようになっています。重要なのは、「どこに予算を割り振るか」を見極めることです。まずは主要な構成パーツの役割を理解し、その上で「最低限これだけは」というラインを見定めていきましょう。

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「とりあえずこれなら安心」な構成の考え方

初めての配信PCでは、以下の主要パーツに注目し、バランス良く選ぶことが重要です。最新世代にこだわる必要はなく、少し前の世代でも価格性能比に優れた選択肢はたくさんあります。

  • CPU (中央演算処理装置): ゲームと配信ソフトウェアの基盤となる部分です。ゲームの処理だけでなく、OBSなどの配信ソフトウェアの処理、特にソフトウェアエンコード(CPUにエンコード処理をさせる場合)の性能に直結します。
    • 推奨: AMD Ryzen 5シリーズ (例: Ryzen 5 7600X/7500F/5600X) または Intel Core i5シリーズ (例: Core i5-13400/12400)。最低6コア12スレッド以上を目安にすると良いでしょう。
    • ポイント: 予算が許せば、よりコア数の多いRyzen 7やCore i7も良いですが、まずはRyzen 5やCore i5で十分なパフォーマンスが得られます。
  • GPU (グラフィックボード): ゲームの映像処理と、ハードウェアエンコード(GPUにエンコード処理をさせる場合)の要です。特にNVIDIAのRTXシリーズに搭載されている「NVENC」エンコーダーは、画質を維持しつつCPU負荷を大幅に軽減できるため、配信初心者には非常に強力な味方となります。
    • 推奨: NVIDIA GeForce RTX 3060 (12GB) または RTX 4060。AMD Radeon RX 6600XT / 6700XTも選択肢に入ります。
    • ポイント: NVENCの存在を考えると、NVIDIA製GPUが初心者には特に推奨されます。VRAM (ビデオメモリ) は8GB以上あると安心です。
  • RAM (メモリ): ゲーム、配信ソフトウェア、ブラウザなど、複数のアプリケーションを同時に動かすために必要な作業スペースです。不足するとPC全体の動作がカクついたり、フリーズしたりする原因になります。
    • 推奨: 16GB (8GB x 2枚) DDR4-3200MHz以上。
    • ポイント: 2枚挿しでデュアルチャネル構成にすることで、シングルチャネルよりも高速に動作します。予算に余裕があれば32GBも選択肢ですが、まずは16GBで十分です。
  • ストレージ (保存装置): OS、ゲーム、配信ソフトウェアのインストール先です。高速なNVMe SSDを選ぶことで、OSの起動やゲームのロード時間を大幅に短縮できます。
    • 推奨: 1TB NVMe M.2 SSD。
    • ポイント: 500GBでもOSと数本のゲームなら入りますが、すぐに容量不足になりがちです。配信したVODを保存するなら、追加で大容量のHDDを検討しても良いでしょう。
  • マザーボード: 各パーツを接続し、PC全体を制御する基盤です。CPUの世代に合わせて適切なチップセットを選びましょう。
    • 推奨: AMDならB550またはB650チップセット、IntelならB660またはB760チップセット。
    • ポイント: 最上位のZシリーズはオーバークロックなど上級者向けの機能が多いので、Bシリーズで十分です。将来的な拡張性(M.2スロット数、RAMスロット数など)も少しだけ意識すると良いでしょう。
  • 電源ユニット (PSU): PC全体に電力を供給する心臓部です。各パーツの消費電力に見合った容量を選び、安定した動作のために信頼性の高い製品を選びましょう。
    • 推奨: 650W〜750W、80 PLUS Bronze/Gold認証。
    • ポイント: 少し余裕を持った容量を選ぶことで、将来のパーツ交換にも対応しやすくなります。
  • PCケース: 全てのパーツを収める箱です。冷却性能、エアフロー、ケーブルマネジメントのしやすさ、そしてデザインで選びましょう。
    • 推奨: エアフローが良く、ミドルタワーサイズ。
    • ポイント: デザインだけでなく、メンテナンスのしやすさも重要です。冷却ファンが複数付属していると初期投資を抑えられます。

ミニシナリオ:ゲームと雑談配信のAさんの場合

Aさんは週末に主にPCゲーム(VALORANTやAPEX Legendsなど競技性の高いFPSゲーム)をプレイし、同時にTwitchで配信をしたいと考えています。平日の夜には、ゲームなしで視聴者と雑談する配信も考えています。予算はPC本体で15万円〜20万円程度。できれば将来的に少しだけアップグレードもしたい。

このAさんのニーズに合わせたPC構成の考え方は以下のようになります。

  • CPU: FPSゲームはCPU性能も重要ですが、配信エンコードをGPUに任せることを前提とすれば、Intel Core i5-12400FまたはAMD Ryzen 5 5600Xクラスで十分快適に動作します。予算があればCore i5-13400FやRyzen 5 7600Xにすると、より余裕が生まれます。
  • GPU: FPSゲームを高フレームレートでプレイしつつ、安定した配信を行うためには、NVIDIA GeForce RTX 3060 (12GB) が非常に強力な選択肢です。NVENCエンコーダーを活用することで、CPUへの負荷を抑えつつ高品質な配信が可能です。
  • RAM: 16GB (8GB x 2) で、ゲームとOBS、Discordなどを同時に開いても問題なく動作するでしょう。
  • ストレージ: 1TB NVMe SSDがあれば、OSと複数のFPSゲームをインストールしても当面は安心です。
  • 電源ユニット: RTX 3060であれば650Wの80 PLUS Gold認証電源で十分安定します。

この構成であれば、Aさんは快適にゲームをプレイしつつ、1080p/60fpsでの高品質な配信を始めることができます。将来的には、より高負荷なゲームや高画質配信を目指す際に、CPUやGPUを上位モデルに交換する余地も残されています。

コミュニティの声:よくある疑問と落とし穴

StreamHub Worldのコミュニティでも、初めての配信PCに関する疑問は尽きません。よく聞かれる質問や陥りがちなポイントをまとめました。

  • 「古いPCでも配信できる?」
    ゲーム配信の場合、多くの場合「難しい」というのが現実です。特にGPUが貧弱だと、ゲームのフレームレートが落ちるだけでなく、エンコードもまともに処理できず、視聴者にはカクカクの映像が届いてしまいます。雑談配信やWebカメラのみの配信なら可能ですが、ゲーム配信を考えているなら、上記の推奨スペックを参考に新しいPCを検討する方が賢明です。
  • 「配信用のPCとゲーム用のPC、2台必要?」
    いいえ、初心者ストリーマーにはまず1台のPCで始めることを強くおすすめします。2PC配信は設定が複雑になり、初期投資も倍になります。最近のPCとNVENCのようなハードウェアエンコーダーの進化により、多くのストリーマーは1台のPCで十分高品質な配信を実現しています。まずは1PCで慣れてから、本当に必要なら2PCを検討しましょう。
  • 「オンボードグラフィックでもゲーム配信できる?」
    ほとんどの場合、できません。CPU内蔵のグラフィック機能(オンボードグラフィック)は、Web閲覧や動画視聴、軽作業には十分ですが、本格的なPCゲームをプレイしながら配信エンコードも行うほどの性能はありません。必ず別途、性能の良いグラフィックボード(GPU)を搭載してください。
  • 「メモリは32GBないとダメ?」
    いいえ、多くの初心者配信者にとって16GBで十分です。複数の高負荷なゲームや、大量のブラウザタブ、動画編集ソフトなどを同時に開くような特殊な使い方をしない限り、16GBで快適にゲームと配信が両立できます。ただし、今後メモリを増設する可能性を考えて、マザーボードのメモリスロットは2つ以上空けておくことをおすすめします。

定期的な見直しとアップグレード

PCを一度組んだら終わり、ではありません。配信を続けていくうちに、PCの性能に対する要求も変わっていく可能性があります。以下のポイントを定期的に見直しましょう。

  1. 配信品質の確認
    自身の配信アーカイブを見返し、映像の乱れやフレームレートの低下がないか確認しましょう。OBSの統計情報やログファイルも確認し、CPUやGPUのエンコード負荷が高すぎないか、レンダリング遅延が発生していないかなどをチェックします。
  2. ドライバの更新
    グラフィックドライバやチップセットドライバは定期的に更新しましょう。性能向上や安定性の改善、バグ修正が含まれていることが多いです。
  3. OSとソフトウェアのアップデート
    Windows UpdateやOBS Studio、ゲームなどのソフトウェアも常に最新の状態に保つことで、セキュリティの向上とパフォーマンスの最適化が期待できます。
  4. パーツのアップグレード時期
    もし配信品質に不満が出てきたり、より新しいゲームを高画質・高フレームレートで配信したくなった場合、まずはGPUのアップグレードを検討するのが効果的です。次にCPU、そしてメモリ増設という順序が一般的です。電源容量も忘れずに確認しましょう。
  5. 冷却性能の確認
    PC内部の温度が高すぎると、パーツの寿命を縮めたり、性能が低下したりします。定期的に温度監視ソフトでCPUやGPUの温度を確認し、必要であればケースファンの追加やCPUクーラーの交換を検討してください。ホコリの除去も重要です。

チェックリスト:これであなたのPCは配信準備OK

PCを組み終え、OSやドライバのインストールが完了したら、以下の最終チェックを行いましょう。

  • グラフィックドライバは最新か? (NVIDIA GeForce Experience / AMD Radeon Softwareで確認)
  • チップセットドライバはインストール済みか? (マザーボードメーカーのウェブサイトで確認)
  • OBS Studioなど配信ソフトはインストール済みか?
  • OBSの設定で、希望する解像度・フレームレート(例: 1080p/60fps)が選択可能か?
  • エンコーダーは「NVIDIA NVENC (New)」または「AMD H.264/H.265 (AVC/HEVC)」に設定されているか? (CPUエンコードも可能だが、まずはハードウェアエンコードから試すのがおすすめ)
  • ゲームを起動し、配信テストで映像と音声が正常にキャプチャされているか?
  • マイクとWebカメラは認識され、音声・映像が入力されているか?
  • テスト配信を行い、実際の配信画面でカクつきや音ズレがないか確認したか?

このガイドが、あなたの初めての配信PC選びの一助となれば幸いです。完璧なPCを最初から目指す必要はありません。まずは「動く」PCを手に入れ、配信の楽しさを体験することから始めましょう。そして、配信を続けていくうちに、自然と次に必要なアップグレードが見えてくるはずです。

StreamHub Worldでは、配信に関するさまざまな情報や機材レビューを提供しています。より詳しい情報や次のステップについては、streamhub.shopもぜひご覧ください。

2026-03-29

About the author

StreamHub Editorial Team — practicing streamers and editors focused on Kick/Twitch growth, OBS setup, and monetization. Contact: Telegram.

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